お侍様 小劇場 extra

    “妖しき あやかし?” 〜寵猫抄より
 


島田せんせいのお宅は、ちょっぴり古いお屋敷町の一角にある。
古色蒼然とした…とまでは言わないが、
それでも随分と個性的な、和洋折衷の洋館もどきで。
街路に面した玄関までのアプローチやその周辺、
入ってすぐのエントランスなどなどは、
天井も高くてモダンな設計の、洋風な造りとなっているのだが。
畳を敷き詰めた和室も、
客間や仏間以外にも数室揃っているし、
その片側にずっと、足元まである掃き出し窓を連ねた仕様の、
縁側廊下というのもあるという古風なお家。
壁も今時の塩ビなどという壁紙ではなく、
白い漆喰塗りのところが多く。
汚れよけか手入れの簡便化か、
下半分は“腰板”といって、
床と同じような色合いの板張りになっているのがまたモダンでシック。
今時では古いままの学校や役所にでも行かねば見られなかろう、
却ってこじゃれた拵
(こしら)えのお屋敷に、
年頃も落ち着いた大人二人で十年近くを住まわっていたものが。
ほんの昨年辺りから、
もう一人ほど小さな存在が増えたご一家で。

 “…よく寝て。”

主人の寝室からもさほど離れぬリビングの真ん中。
丸ぁるい綿入りの、
ラグとクッションの中間のようなふわふかな寝間が拵えてあり。
そこには、
カシミアのストールを折り畳んで上掛けにし、
小さな坊やがくうすうと眠っている。

 「 、〜〜。」

頬にかかったぽわぽわした金の髪がくすぐったいか、
うにゃむにゅとお顔を動かしかけたが、
それもすぐに収まると、
小さな肢体をくるんと丸めたまんま、
そりゃあ やすらかに寝息を刻んでいる坊やであり。
この姿を見ていると、
ああ何だか可哀想だな、今からでも私たちの寝間へ連れてこうかなと、
ついつい思ってしまう七郎次だったが、

 『儂らには和子に見えておるが、実際は仔猫であるらしいからの。』

こういう想いに駆られるたび、勘兵衛はそうと言い、
あくまでも仔猫として扱わねば、
結果、困るのはこの久蔵なのだぞと、
どうどうと、冷静になりなさいと言い諭すのも常のこと。
自分ら二人にはその出会いのときから5歳くらいの男の子に見えているが、
実際は小さな小さな仔猫の久蔵。
どうしてそんな不思議が起きるのかは、いまだ判っていないままであり。
ただ、猫の声でしか声を発しないことや、
何を着せてもするんと足元まで落ちたり、
抱えた重みがあまりに軽く、鏡や写真などには仔猫の姿で映ること。
はたまた、とんでもない高さへと、
飛び上がれたり飛び降りたりをやすやすとこなす、
幼児と思えぬ運動能力などなどから、
皆さんに見えてる姿のほうがどうやら正しいらしいと、
随分と早くに落ち着きはしたのだが。

 “でも、それって…。”

不思議現象であるとの把握をしただけの話。
何でどうしてという部分は依然として明かされぬままだ。
いくら御主が幻想小説の大家だからって、
現実生活の中でまで、
そういう不思議や神秘を信奉して来た訳でもないのにね。
裏庭にあった稲荷の祠も、随分と手入れをしないまま放っているほどで、
幽霊や心霊の存在も、頭から信じているかというと微妙なところ。

 『もしもおいでになるというなら』

そうそう、勘兵衛様がいつだったかにこう言ったのだった。

 『ウチの両親やお主の親御の、彼岸での暮らしぶりなぞ。
  風の頼りでいいから、
  聞かせてくれてもよさそうなものではないか。』

どちらも早くに逝った存在だ、遺児を案じていよう筈だもの。
精神世界の存在なれば その意志届かぬはずは無し…と、
どういう理屈なのやら、そんな言い方をした勘兵衛だったものだから。
それが全く届かないということは、
少なくとも儂らには縁のない話だということだろうよなんて。

 “ああそうだった、私がしょむない気配を怖がった折じゃなかったか。”

まだずんと幼いクチだったころに、
ご実家のほうで、古いお屋敷の気配か何にか怯えたことがあり。
年が離れている相手、どう宥めよかと考えた末の、
随分と四角い説得だったのを。
あまりに真摯なお顔で説かれたものだから、
こっちもすんなり呑んだのだった。
しかも それ以降、
幽霊話の類いはあんまり怖いと思わなくなった七郎次であり。

 「……vv」

いい子いい子だと、
あの大きな手で頭を撫でてもらったところまでという、
そんな古い話まで思い出した弾み、
何とはなく、思い詰めかけてた気分も薄まったようで。
あああ、こんなことしていては風邪を引いてしまうと、
床に膝ついて覗き込んでた小さな和子の、せめて上掛けを直してやり、
さてと立ち上がって戻ることにする。
勝手のようよう判っている屋敷だ、
夜中だとて、あちこち明かりを灯さずとも歩き回るのに支障はなくて。
ちょっとトイレへと起き出しただけのこと、
早よう戻らにゃと暗がりの中を寝室へ急ぐ。
日頃から修験者のように張り詰めておいでとまではいかないが、
それでも気配には聡い勘兵衛様だ。
暖を分け合っていた懐ろ猫が、
あんまり戻らないと…何ぞあったかと心配なさるやもしれぬ。

 「……とっ☆」

居室の居並ぶ廊下の端から端へと、
月光がもたらす明るさを取り込んでいた、
これも木枠の古風なはめ殺しの小窓の、丁度手前を通り過ぎかかり。
おお今宵は特に明るいなと、
壁に刻まれた窓枠の格子を何気に見やったその途端。
微妙に足元がおろそかにでもなったものか、
つま先を突っ込んでいたスリッパが、
何もないところで ちょんとつんのめる。
咄嗟のこととて間近の壁に手をついたので、転ぶまでには至らなんだが、
その手のひらに何だかぬるっとした感触がして。

 「???」

月の光の下で見た手は、やはり…微妙に濡れての照り光っており、
だがだが、台所じゃあるまいに、油汚れが付くような場所でもなし。
でもそれじゃあ、これって何だろと、
転びまではしなかった身を立て直しつつ、
手の匂いを嗅いでみたあと、すぐ傍らの漆喰塗りの壁を見ていたものの、
そのどこにも いかにもな判りやすい汚れだのは見極められず。
薄暗がりでは判るものとて判るまいと、気がついての それで。
お廊下の明かりを灯そうと、
スイッチのある門口までパタパタと数歩ほど移動をした七郎次。
何げなく振り向いたその壁にあったのが、


  「 …………え?」





   ◇◇◇



別段そうそう寝穢い
(いぎたない)という性分でなし、
寝起きも悪くはないお人であれ、
真夜中 唐突に叩き起こされて、
速やかに しゃんとせよと言われても無理な間合いというものがあろう。
起きて起きてと大きく揺さぶられでもしたならば、
すわ地震かと ギョッとするということもあろうけれど。
ぬくぬくと眠っていたところから、
ちょっとした違和感拾って、
そのままするすると鋭敏に目を覚ますことが出来るともなると。
よほど油断なく構えておいでの、
今時には稀な武芸者か、
それとも狙われる心当たりのある疚しいお人か。

 “疚しいとは失敬であろう。”

あ、すいません。お目覚めだったですか。
でも、のぞき見の気配でお起きになったのではないのでしょう?
少し前の先程、そおっと寝間から離れた誰かさん。
添い寝のお相手、お起こししてはなるまいぞとの気遣いをしていた、
そりゃあ慎重だった離れようへ。
そんな彼の気持ちをこちらからこそ立ててやりたくての、
気づいちゃいたが…という狸寝入りを通した壮年殿であり。

 “ああいう気遣いは別物なのだろか…。”

この自分と床を同じとするほどの、割りない仲にまでなっていたのに、
それでもどこかで一線を引いて接していたような節があった七郎次。
及び腰というのとも微妙に異なる、
強いて言や、仕えるお人からの求めへ従っていただけと、
そんな態度でいた彼であり。
意地の悪い言い方をするなら、
いつかは見切られ捨てられるのが怖くての、
深間に嵌まらぬ間柄でいたかったのか。
そんな考えようは、それこそこちらの自惚れかしらと、
すぐの間近、懐ろに眠る端正なお顔を眺めつつ、
分厚い胸倉の奥の奥、
心胆 振り絞られた夜も幾夜かあったその末に、
やっとのこと、互いの想いを通じせしめたのが先の春で。

 “だというのにな。”

別にああまでの遠慮なぞ要らぬ、
好きなように振る舞えばいいのにと。
何かの節々、以前のまんまな態度や素振りを見ると、
まだ拭い去れない何かしらがあるのかなと、
こちらまでもが もぞもぞしてしまうことがある勘兵衛だったりし。
七郎次はそもそも島田の家の分家の出で、
小さいころから既に勘兵衛に“様”をつけて呼んでいたほど、
どこか古風な躾をされていた身。
身に染みているものであるのなら、それはしようのないことなのかも。

 “…改めることこそ、無理強いかの。”

柔らかな微睡
(まどろ)みに“おいでおいで”をされつつも、
何とか意識を保ちつつ、
供寝の相方が戻るのを待っていた勘兵衛であったが。
そんな彼の耳へと聞こえて来たのが、

 「………、うあっ!」

確かに誰ぞかの切羽詰まった声であり。

 「…っ!」

この屋敷の中で立つ声とすれば、
ほんのついさっきまで、同じ寝床にいたはずの人物しかいない。
何があってのそうまで逼迫した声を上げたやら。

 「七郎次?」

日頃から慎みも忘れぬ愛しの恋女房。
それが、こんな時間であるにも関わらず絞り上げたお声だ、と来れば、
途轍もないことに遭遇したに違いなく。
うとうととしかけていた意識が、あっと言う間にクリアに冴えて、
その身が弾かれたように寝台の上へと起き上がる。
上着を取る間ももどかしく、
寝間着姿で寝室から外へと出れば、
ほんのあと少しという先、
そこで右手へと折れる廊下の角に立っていた七郎次が見えて。

 「七郎次、如何し…、」

どうしたのだと問いかける勘兵衛の存在にも気づかぬか、
壁へと背中を預けたまんま、
角を折れた向こうになろう方向をばかり見やっている。
何かに凭れるという立ち方も、この彼には滅多にないこと。
そうまで怯みつつ、一体 何物へと意識を奪われているものか…と。

 「………あ。」

想いがそこへと至ったのと同時、
唯一だろう思い当たるものがふと浮かぶ。
単に気丈であるのみならず、
優雅で嫋やかな風貌には似合わぬことながら、
実は武道も修めている勇ましい青年ではあるものの。
そんな七郎次が唯一、それこそ“物の怪”以上に怖がっているものがあり。
暦の上では、既に
“晩秋”というよりも“初冬”と呼んでもいいほどの時期ではあるが、
それでも暖かな日も多かったせいで、
いまだ居残りのアレが徘徊していたのではなかろうか。
苦手とする者ほど気配にも聡いというから、
たまたま通りすがった影を見てしまってのそれで、
進退窮まるほど竦んでしまっている彼なのかも知れぬと。

 “…やれやれ。”

自分はあそこまで恐ろしいとは思わぬ性分なので、
相変わらず微笑ましいことよと、苦笑を浮かべての歩を進めた勘兵衛であり。

 「七郎次。」

今度こそは届けとの、やや張った声を掛ければ、
やっとのことでお顔をこちらへ向けた彼だったが、

 「…勘兵衛様。」

おや?と。
ここで勘兵衛も少々意外だと感じたのが、
怖いの怯むのというお顔ではない七郎次だということだ。
本人の中ではある意味で得心がいってでもいるものか、
勘兵衛の姿を見、ようやっと我へ返れたという安堵の息をつくと、

 「すみません。お起こししてしまったのですね。」
 「いや、それは構わぬが。」

明かりも点けぬままで如何したかと、
案じるような顔を向けてやる。
同じ位置に立った勘兵衛の前にも、七郎次と同じ視界が広がっており、
だが、そこはいつもと変わらぬ、
何という調度も置かぬ殺風景なただの廊下だ。
一体何を見て先程のような声を上げた彼なのか、一向に判らない勘兵衛であり。
廊下の暗がりを眺めやる御主だと、そちらでも気づいた七郎次、
言ったものかどうしよかという逡巡をちらと見せてから、だが、
腕を通さず肩に掛けただけのカーディガン、
落っこちぬようにとその前合わせをちょいとつまむと、
空いた側の腕をすっと延ばして見せ、

 「あの…あすこの壁に。」

真っ直ぐにと延ばしたその真っ直ぐさ加減が、
廊下の反対の端という遠くを指していること示しており。
何だなんだと目許を眇めた勘兵衛が、

 「…っ、」

その表情を弾かれて、ハッとしたのは気づいたからだろ。
そうらしいというのを確かめた七郎次、
延べていた腕を降ろすと、
こちらさんはもう落ち着いた身だからか、
くすすと小さく微笑って見せる。

 「一体何のまじないかと思いましたよ。」

というのも、そこには…よくよく見ないと判らないほど微かなもの、
絶妙な光の当たり加減でやっと見えたものが、
てかりと鎮座ましましており。
何とはなく丸いのは魔法陣の一種だからか、
いやいや それにしちゃあ、
梵字や記号などという人為的な咒が1つも記されてはいない。
くしゅくしゅとした もつれた糸玉みたいな形状なのは、
もしやして何かが這った痕跡だろか。
だったら…もしかして自分の苦手なアレの足跡だろかと、
そっちも一応 案じはしたのだが。
腰板よりも上という高さの、そりゃあ判りやすい箇所を、
こうまでその痕跡が残るほどのいつもいつも、這っているものだろか。

 「で、手で触れたのを思い出して、もう一度見直したら。」

七郎次が胸元間近へと広げた白い手には、確かに何かがついており。
もう一度と自身でその匂いを嗅いでみてから、にこりと微笑って言ったのが。

 「これって、クレヨンの匂いなんです。」
 「あ…。」

その一言で勘兵衛へも合点がいったのが、
可愛らしい仔猫の、小さな久蔵は、
この秋口から、あちこちへ落書きする悪戯を覚えてしまった身であったこと。

 「だが、久蔵の仕業にしては…。」

自分たちにはそう見えている“子供の姿”であれ、
せいぜいが腰にも届かぬという小ささで。

 「腕をうんと延ばしたとしても、あんな高いところへ届くものかの?」
 「それなんですが、一時あの場所には卓を置いてましたでしょ?」

勘兵衛が書いたファンタジー小説が、またもやゲーム化されるとあって、
その発表を兼ねたレセプションが秋口にあり。
そのおりにいただいた、山ほどの薔薇や百合やカトレアという豪華な花束を、
玄関やリビングだけでは飾り切れなくてと、
大ぶりの花瓶へ分けての生けてあったのが丁度あの場所。

 「久蔵は花瓶を蹴倒したりはしませんが、
  だからこそ、よじ登ってのこっそりそんな悪戯をしていたの、
  気づかぬままになっていたのでしょうね。」

お絵描きを覚え始めた当初、
白いクレヨンだけは紙に塗っても色が出ないの、

 『???』

何度も何度も試しちゃあ、
小首を傾げて“何で?どうして?”と不思議がっていたものが。
(そしてその様がまた愛らしいと、誰かさんが打ち震えもしていたものが・笑)
床板や黒っぽい壁、家具などには使える
(?)ことに、
気づいてからが さあ大変。
床のあちこちから、壁の腰板、柱の根方、
ソファーの座面や、液晶テレビの画面にまでという、
手の届く限りのあちこちへ。
もくもく雲さんやら、羊の後ろ姿やら、
白髪になった勘兵衛様やら、
気ままに大胆に描き殴って下さって。

 「こんなおイタをするよな 小さな親戚もいないのに。
  いつヘイさんの目に留まるかと、
  その折はどう言い訳をしたものかと、
  私などずっとずっとハラハラしておりました。」

落書き自体にはそれほど眉を吊り上げぬ勘兵衛も、
七郎次が以前にも増して掃除にと奔走するよになったのは気づいていたし、
物を大切にするという信条にも障る悪戯だったため、
落書きは紙の上だけにとの厳命下さり。
わざわざ向かい合っての“よしか?”“にゃお(頷)”との約束交わし、
そりゃあ大きなスケッチブックが、
専用のお絵描き用にと進呈されたのを機に。
それからは何とか、とんでもない場所への悪戯もやんでいたものだから。

 「全部消せたと思っていたんですけれど。」

あんな箇所ではまさに盲点。
こんなひょんな機会ででもなけりゃあ、
到底 気がつきませんてと。
肩をすくめてくすすと微笑う七郎次であり。
そんな二人の足元から、

 「…みゃあ?」
 「あらら。」

先程のはっきりとした声でかそれとも、
こしょこしょと語らう気配で起こしてしまったか。
いつの間にか当のご本人までが、とことこ出て来ていたらしく。
誰のせいでの騒ぎなのやら、
それでも子供には思わぬ夜更かし。
暗がりにほわりと浮かんだ金の綿毛の傍らへ、
ひょいと屈んだ七郎次、
和子を抱き上げるとそのままこちらを見やるので、

 「…今宵は特別だぞ?」
 「はいvv」

以心伝心、おねだりしたのを聞いていただき、
ますますとその笑みを濃くした、美貌の恋女房と。
その懐ろから見上げてくる、大きな瞳の愛らしい和子と。
天涯孤独な身となったはずが、
そういや、寂しいと思った時期はさして長くはなかったなと。
今になって思い出し、
そうとなるほど救ってくれた、支え守ってくれた彼らへと、
目許和ませ、微笑い返した御主様だったりしたのであった。







   おまけ


さあさ、寝直そうと寝室へ戻る道すがら。
うにうにと柔らかな頬、懐ろへ擦りつけてくる、
そのささやかな力の込めようへ、

 「〜〜〜。////////」

あああ、やっぱり可愛らしいったらありゃしないと。
小さな久蔵を抱え直した七郎次ではあったれど。


  小さな仔猫、自分たちには人の和子に見える仔猫。


そういうことであるらしいという、確認や納得こそいったけれど、
いまだに“何故?”という部分は謎なままであり、

  ―― 何でこんなことが起きているのだろうか

この子が妖しい存在なのかな?
こんなに幼く愛らしく、
このごろ微妙にやんちゃではあるが、
その端々で優しい心遣いもするよな和子だのに?
暑さまけから引っ繰り返った七郎次だったのへ驚いて、
大急ぎで勘兵衛を呼びに行ったり、
彼にはずんと大きな電話の子機を、腕や頭でうんうんと押して運んで来たり。
早くたしけて、何とかしてあげてとの想いがあっての、
そんな行動、迷わず取る子だ。
とてもじゃあないが、自分らに仇なす存在だとは思えない。

  じゃあ? では?

  “………もしかして。”

七郎次が 時折考えないでもないのが、
もしかしたらそれって、


  ―― 私が子供をほしいと思っていての現れなんじゃあ?


  「〜〜。/////」
  「七郎次? いかがしたか?」
  「あ・いえいえ、何でもありません。/////」


  ―― でも、勘兵衛様にもそう見えてるんだよな。
     それって………?


  「〜〜〜。//////////////」
  「七郎次? …いかがした? シチ?!」


まだまだ夜更けです。
どか落ち着いて、ぐっすりと寝直ししましょうね?
(苦笑)






   〜Fine〜  09.11.26.


  *拍手お礼にと書き始めたのですが、
   思ってたより長くなったので断念です。
   こちらのご一家のお話は、
   不思議現象も交えさせられるのが楽しいったらありゃしないvv

  *以前、仔猫様がお絵描きに夢中というお話を綴りましたおり、
   某A様から、
   『見つけ損ねの、白い壁画がまだまだあったりして』
   という楽しいお言葉をいただきまして。
   シチさん発掘ファイト!と応援されておりましたので、
   頑張ってもらったらこんな代物に…。
   妙なおまけがついたのは、私の勝手な妄想ですんで、
   そこは誤解のなきように。
   いくら幻想小説を書いてるお人でも、
   勘兵衛様まで“妄想族”でどうしますか。
   (シチさんの側は否定しないあたり…。)

めるふぉvvご感想はこちらへvv

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